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鉄道の事例・福井鉄道福武線。

テーマ:鉄道の事例 


去年度末に訪れてレポートしていた「北陸の鉄道」シリーズが途中までになっていたので、そろそろ続きを書きたいと思います。
「粟生線関係ないやんけ」と言わずに、何か粟生線活性化のヒントが隠されているかもしれないと思ってご覧くださいね。

3月21日、2泊3日北陸の鉄道視察最終日は福井へとやってきました。
福井駅で案内人と合流し、当時はまだ福井駅の一歩手前までしか来ていなかった福井鉄道に乗り込みます。
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まずは田原町駅にやってきました。
えちぜん鉄道との乗り換え駅ですが、この時はまだ相互直通運転開始前でした。
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相互直通運転開始直前だったこともあり、元名鉄岐阜市内線の車両で福井鉄道の770形が試運転を行っていました。
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奥に見えるのがえちぜん鉄道のホームなのですが、手前が低床ホーム、奥が高床ホームとで高さが全然違うことが分かってもらえるでしょうか。
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再び列車に乗り込み、越前武生を目指します。
福井鉄道は商工会議所前と赤十字前の間で併用軌道から専用軌道になります。
分かり易く言うと、路面電車の線路から電車用の線路になるということですね。
分界点では電車が信号待ちでその前を車を通過していくというあまり私たちには見慣れない光景も見られました。
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関西とは違うなと思ったのは、福井県は雪国なだけあって除雪車が必要なこと。
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そのため、ポイント上にはそれを覆うスノーシェルターが設置されていました。
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(この写真は3月27日以降のものです)
実は福井県は車の所有台数全国1位なのですが、福井市が鉄道の利用促進に力を入れているだけあって、ほとんどの駅にパーク&ライド駐車場がありました。
福井鉄道を利用すれば基本は無料で利用できるというのがすごいですよね(*^^*)
そして、どこでも駅員さんやアテンダントさんが列車の発着時に深々と礼をしているのが印象的でした。
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越前武生駅にやってきました。
この時は相互直通運転開始直前だったこともあり、相互直通運転にあたり導入されたえちぜん鉄道のki-bo(きーぼ)が試運転をしてました。
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あ、元名鉄岐阜市内線の車両で福井鉄道の770形の車番が777だ!
ラッキー(>ω<)
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ちょっと分かりにくいですがこの車両、乗降時にだけステップが出る面白い車両でした。
こういうのって、路面電車だけじゃなくて普通の電車でホームとの間が広く開いているような電車にも活用できそうですよね(*^^*)
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福井鉄道では高床式の車両も現役で、軌道線に高床式車両が乗り入れる光景が名物でもあるのですが、この日はお休みしてました。
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高床式車両が路面電車区間に乗り入れている時の写真がこちらです。
こういうのを見ると、神戸電鉄もまだまだ可能性を秘めているなって思えますよね(*^^*)
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(この写真は3月27日以降のものです)
地元民だけじゃなくて、外国人観光客の方も利用しているというのが良かったなぁ。
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北陸本線と並行して走っているので、普通に見れば「北陸本線があるから福武線は要らない」となるのでしょう。
けれども、福井鉄道が40億円を超える負債を抱え、このままだと破綻になることが確定した時、地域や協議会で話し合って、今後は自治体を含む沿線関係団体が主体となって支援していくことに決まりました。
そして、当時3分の1の株を所有していた株主の名鉄は手を引くことになりました。
しかも、名鉄はただ手を引くだけじゃなく、さらに10億円を実質無償支援しました。
(会計上・税務上問題ないよう支援するために、一度追加1株を10億で買って、保有株全部を各団体に1株1円で売ったそうです)
株主としてはそこまでしなくても良いのですが、大企業だけに社会的責任を取ったのでしょう。
そんな経営危機を乗り越えてきた福井鉄道。
単に経営危機を乗り越えて超低床式車両を導入するだけでなく、えちぜん鉄道との乗り入れも果たし、そして福井駅乗り入れまで果たしました。
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(この写真は3月27日以降のものです)
私の中では全くノーマークでしたが、粟生線活性化には福井鉄道の事例がとても参考になるのではないかと思います。
「今後は地元が責任持ってやっていく」と主体性持って動いたことが、名鉄がさらに10億円を実質無償支援するきっかけにもなったのでしょう。
私たちも同じことが言えるように、頑張らなければいけないのかもしれませんね。

一部写真提供:清水省吾さま、野阪演彦さま


 

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