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地域鉄道フォーラムに参加しました。

テーマ:鉄道の事例 


東京行きの続きです。
東武博物館で開催された「地域鉄道フォーラム2016」に参加しました。
2年前に「里山と粟生線を活かしたまちづくりシンポジウム」を開催した際、こちらの主催団体から後援をいただいたのですが、ちゃんと面と向かってお礼を言っていなかったので、そのお礼も兼ねて。
正直、金銭的にはかなり厳しい遠征だったのですが、結果として行って良かった遠征となりました(*^^*)
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まずはじめに、国土交通省鉄道局鉄道事業課長の大野達さんよりご挨拶がありました。
なんと本日は奥様の誕生日にも関わらず、フォーラムに駆け付けたとのこと!
それほどこのフォーラムが期待されているというのが良く分かります。
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続いて、粟生線でもお世話になっている関西大学経済学部教授の宇都宮浄人先生による基調講演「地域鉄道の価値を考える」がありました。
鉄道の価値とは?鉄道の社会的便益とは?
社会的便益を数値化するための鉄道の価値測定の試みなどについてお話されました。
最後に費用便益分析の問題についてお話しされたのですが、その前にお話しされたのが鉄道とコミュニティの絆「ソーシャル・キャピタル」でした。
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三陸鉄道が復旧した時の写真、みなさんもニュース等で拝見されたかと思いますが、手を振っている人たち、実は普段三陸鉄道に乗ってない人たちばかりなんですよね。
でも、復旧した時にはこれだけの人たちが歓喜した。
それだけ、鉄道って地域にとってシンボルのような存在なんですよね。
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続いて行われたトークセッション「地域鉄道の価値とは」でもソーシャル・キャピタルについて話し合われました。
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平成24年4月1日に三陸鉄道北リアス線が復旧したその前日、青森県では十和田観光電鉄がラストランを迎えていました。
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国内の鉄道事業者で黒字はたったの18%、それ以外の82%は赤字です。
「赤字だったら廃線にしてしまえばいい」そんな考えで良いのでしょうか。
社会的便益を数値化するための費用対効果分析や鉄道プロジェクトの評価手法マニュアルについてもお話しされたのですが、少し難しいお話しなので、ここでは割愛します。
マニュアル化しようとはしていますが、実際には黒字赤字じゃ測れない価値が地域鉄道にはあるのだということをお話しされていました。
実際問題、三木鉄道も数千万円の赤字で廃止にされてしまいましたが、三木鉄道が地図に載っていただけでも広告宣伝費に換算すると2億円の価値があったと言われていますし、廃止されたことによって失われたものの方が多いんじゃないかなと思います。
でも、赤字だから仕方がないじゃなくて、地域鉄道は利用者数を伸ばす様々な取り組みをされているんですよ。
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そして何よりも大事なのがソーシャル・キャピタル。
三陸鉄道も鉄道が復旧する前から地域の方々がトイレ掃除や線路脇の草刈りを自発的にされていたそうです。
東日本大震災で被災し、車両が被災して使えなくなった鉄道事業者には他の鉄道事業者が自社の車両を貸して復旧した例もあったそうです。
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鉄道事業者と住民だけじゃない、鉄道事業者と自治体、鉄道事業者と企業、鉄道事業者と応援団、そして鉄道事業者と鉄道事業者の絆が地域鉄道の未来を救うんだなぁと思いました。
そう言えば、樽見鉄道の車両が故障した際、長良川鉄道から車両を借りて繁忙期を乗り切った例をみーたんも見たことがありました。
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登壇されていた水間鉄道会長の関西佳子さんは自社で募っているオリジナルヘッドマークのことについてお話されました。
1枚1万円で10日間営業列車に掲出されるというものなのですが、これで収支が改善するというほどのものでもないんですよね。
でも、水間鉄道が一度経営破たんした会社だということを知らない人も多いので、地域の方々に少しでも水間鉄道のことを知ってもらうために募っているとのことでした。
経営破たんしたのにも関わらず、1日も経営の都合で運休したことがない水間鉄道。
これって、本当はすごいことなんですよ。
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今は好調のひたちなか海浜鉄道湊線も茨城交通だった時、長引く赤字により廃線の意向を示したことから存続運動が起こり、第三セクター鉄道として存続することになり新会社が発足しました。
ひたちなか海浜鉄道になって半年後、茨城交通は経営破たんしました。
もし、湊線が茨城交通のままだったら…不採算事業であった湊線は廃線になっていたかもしれません。
私が「粟生線を上下分離して存続させましょう」と言うと、「なにをそんなに神鉄の味方をするんだ」と言われるのですが、だったらそのようなことを言う人は神鉄として粟生線を維持させた方が良いというのでしょうか。
もし、神鉄が粟生線の赤字により経営破たんした場合、真っ先に切り捨てられてしまうのは粟生線だと言うのが分からないのでしょうか。
私はそうなる前に、まずは上下分離することで粟生線を守ろうと訴えているのです。
なかなか理解していただけないんですけどね(^_^;
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愛知学泉大学現代マネジメント学部講師の田中人さんは仕事の都合で愛知県豊田市に引っ越して遂に車を買ってしまったことをお話しされました。
豊田市は車がないとどこにも行けない、と。
豊田市も車が増えすぎて近年公共交通を整備していますが、なかなか町全体には行き届いていないのが現状のようです。
でも、何も車に乗ることが悪いとは思いません。
粟生線にもパーク&ライド駐車場が整備されていますし、最寄駅まで遠い人は車で駅まで行って、駅から電車に乗るというスタイルでも良いと思うのです。
よく「鉄道を存続させよう」と言うと「車は悪、鉄道を存続させようとしているのにバスを使うなんてけしからん」という人がいますが、何もない所に一から鉄道路線を通そうと思うと大変なことですし、駅から離れている所に向かうためにはバスも必要だと思います。
そして、バスも通っていない所に行くためにはタクシーも必要だと思うのです。
公共交通を維持させていく上で大事なのは役割分担と共存共栄なのではないでしょうか。
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鉄道アーティストの小倉沙耶さんは今日、東京駅からバスだけで会場へと来たそうです。
使いにくい、不便と思われがちなバスですが、今はスマホがあれば現在地から最寄りのバス停を検索してくれますし、乗り換えも検索してくれるので比較的スムーズに来ることが出来たそうです。
ただ、会場の最寄りのバス停を降りて感じたことは「バス停は鉄道とは違ってシンボルにはなり得ない」と。
専用の線路を走る鉄道とは違い、バスは一般の道路を走るものなので、バス停がなければそこをバスが走っているのかさえ分からないですしね。
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よく、三木市のPRポスターで美嚢川橋梁を走る神戸電鉄が起用されます。
それは、この場所こそが三木市のシンボルだと思っているからではないでしょうか。
乗ってる乗ってない関係なしに、この風景が三木市のシンボルだと感じるならば、粟生線は残さなければならないと考えるべきなのでないでしょうか。
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そして、国土交通省鉄道局技術企画課技術開発室長の岸谷克己さんがおっしゃられたこと。
「市が動かなければ県は動かない、県が動かなければ国は動かない」
その言葉が胸に突き刺さりました。
国を動かすためには県を動かさなければならない、県を動かすためには市を動かさなければいけない、市を動かすのは私たち市民なのだと…。
今こそソーシャル・キャピタルが問われているのだと思いました。

そうそう、話題になっている「南阿蘇鉄道希望の光復興祈念切符」ですが、やっと購入することが出来ました。
1セット1000円ですが、内700円が南阿蘇鉄道への支援金になるというもの。
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みーたんが尊敬してやまない公募社長第3セクター鉄道4社(由利高原鉄道ひたちなか海浜鉄道いすみ鉄道若桜鉄道)で販売されています。
ご興味のある方はチェックしてみてくださいね(ネットで購入希望の方はこちらへ)。

終了後に行われた懇親会では様々な立場の方とお話しさせていただきました。
芝浦工業大学工学部教授の岩倉成志さんともお話しさせていただき、貴重なお言葉をいただきました。
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水間鉄道会長の関西さんからは鉄道むすめのクリアファイルをいただきました。
水間みつまちゃんカワイイ!(>ω<)
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そしてこの度、仲間内で女子部が結成されました。
若桜鉄道社長の山田和昭さんも先日おっしゃっていましたが、おじさんではなく女性をターゲットにすると賛否両論出るのですが、F1層(20~34才の女性)からは絶大な支持が出るし、消費の中心で情報拡散力があると。
前も少し書きましたが、表向きには女性を起用した女子旅はよくありますが、実際は男性編集長の趣味で女性のことがあまり分かっていない内容が多いので、そうじゃなくてリアルな女子目線で鉄道の魅力をPRしていきたいなというのがみーたんの考えです。
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「鉄道の魅力をPRします!」と言いながら電車の写真ドーン!というのが多いですが、女子が感じる魅力ってそこじゃないんです。
実際、みーたんが拡散して感じたのは、焼肉とかオシャレなカフェとか、その地にしかないモニュメントとか、そういう情報が一般的な方の求めているものなのだと思い知らされました。
そこでしか会えない人とかも良いですよね(*^^*)
鉄道の魅力って、何も車両そのものだけじゃないんですよ。
これからも自分らしく、女子らしい視点で、粟生線の魅力をPRしていけたらなと思います。
そしてそれが、ソーシャル・キャピタルに繋がっていったらいいな。


 

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